2015年3月28日土曜日

ヴェジタリアンと心の平和


私が住んでいる国インドは、人口の大半がヴェジタリアンです。何億という単位の人間がヴェジタリアンとして先祖代々生きているのです。私は立場上、先祖代々厳格なヴェジタリアンを通しているブランミン達を何百人と知っていますが、体格を見ただけでもブランミンと分かるほど、彼らは背が高く、骨格と筋肉が強く美しく発達しています。80歳を過ぎても背も曲がらす持病や常用薬もなく現役で社会に貢献しているブランミン達を私は沢山知っています。

インド人達は「健康」を理由にヴェジタリアンをしているわけではありません。

インド人がヴェジタリアンである理由の殆どは、「アヒムサー(非暴力)」を最上価値とする文化に生まれてきたから、という理由です。アヒムサーの文化の中では、ノンヴェジ(卵や肉)を食べる習慣が無いのです。

その証拠に、というのは悲しいことですが、この20年程、インドの政治やメディア、産業が「アヒムサー」に価値を置かない文化圏の人々に牛耳られ、「菜食は健康に良くない。健康の為に毎日卵を食べよう!卵を食べる食生活に慣れたら肉も食べよう!」というプロパガンダを流し続けていて、それを聞かされ続けている多くのインド人達はそれに流されてノンヴェジを食べ始めています。

私達人類は未だに「何を食べるのが健康なのか」を知りません。私達は毎日、相反する研究報告を世界中の科学者や健康の探求者達から聞かされて続けています。

一方、私達人類には「アヒムサー」という先天的なセンサーがあって、「何がアヒムサーなのか」を、科学者や研究者でなくても、人間なら誰でも生まれながらに良く知っています。自分が傷つけられたくないのと同じように、他の生き物も傷つけられたくないのだ、という知識が「アヒムサー」です。共感を持ったり、罪悪感に苛まされたりするのは「アヒムサー」のセンサーが働いている証拠です。

全人類が求めているのは「幸せ=心の平和」です。心の平和により強く関わっている要因は「アヒムサー」であって「健康」ではありません。これを顕在意識で理解している人は少ないですが、潜在意識では誰でもよく理解しています。何が健康なのだか分かっていなくても、何がヒムサー(暴力)なのかは、人間誰しも顕在意識であれ潜在意識であれ、よく分かっているからです。「個人の意見」では包み隠せない、人間のもっとコアな部分の価値感なのです。



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